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労働者派遣法について

自分が法的にはどんな立場なのか知っていれば、きっと実際に働くときの役に立つはず。
ここでは、派遣労働に関する法律、「労働者派遣法」について解説します。

そもそも派遣とは? 派遣先が決まるまで 派遣先でのトラブル 労働条件、福利厚生
講師イメージ そもそも派遣とは

人材派遣スタッフとして働いてはいるが、人材派遣のしくみや労働権利がどうなっているのか分からない人も多くいると思います。
まずは、人材派遣のしくみを知ることから始めましょう。

人材派遣とは?

労働者派遣法とは、とくに派遣で働く方の権利を守るために、派遣会社や派遣先企業が守るべきルールが定められている法律です。
労働者の権利を守るための法律としては「労働基準法」がありますが、これは正社員も派遣もパートも、雇われて働く人すべてに関わるものです。

一方、労働者派遣法は、従来の法律ではカバーしきれない「派遣というかたちでの労働」に特化しているのが特徴です。

労働者派遣法は正式名称を「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」といい、 1986年7月1日から施行後、社会環境の変化に対応して、何度か改正が行われています。

 

特に2015年では、以下の内容が改正されました。

  1. 労働者派遣事業の許可制への一本化
  2. 労働者派遣の期間制限の見直し
  3. キャリアアップ措置
  4. 均衡待遇の推進
  5. 労働契約申込みみなし制度
  6. その他の内容

(⇒平成27年労働者派遣法 改正法の概要

 

 

改正労働者派遣法について

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1.労働者派遣事業の許可制への一本化

改正前、労働者派遣事業には一般労働者派遣事業【許可制】と特定労働者派遣事業【届出制】がありました。
 一般労働者派遣事業…登録型の派遣労働者を1人でも扱う事業
 特定労働者派遣事業…常時雇用される派遣労働者(派遣元で無期雇用されるもしくは1年超の雇用の見込みのある有期雇用者)のみを扱う事業

 

本来、特定労働者派遣事業の扱う派遣労働者は常時雇用で雇用が安定しているはずですが、内訳は有期雇用が多い、
また、許可要件を満たせない為に特定労働者派遣事業と偽り、一般労働者派遣事業を行う事業者がいる、
という背景から、今後は両者を区別せず、すべてが『労働者派遣事業』【許可制】となりました。

(今回、新たに加わる許可基準と許可条件についてはこちら

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2.労働者派遣の期間制限の見直し

改正前、いわゆる「26業務」への労働者派遣には、期間制限が設けられていませんでした。

今回の見直しでは、労働者派遣契約に基づく労働者派遣には、すべての業務で2つの期間制限が適用されることになりました。

 

■派遣先事業所単位の期間制限

派遣先の同一の事業所に対し派遣できる期間(派遣可能期間)は、原則3年が限度となります。

派遣先が3年を超えて派遣を受け入れようとする場合は、派遣先の事業所の過半数労働組合等からの意見を聴く必要があります。

(⇒過半数労働組合等からの意見聴取手続

 

施行日(平成27年9月30日)以後、最初に新たな期間制限の対象となる労働者派遣を行った日が、3年の派遣可能期間の起算日となります。

それ以降、3年までの間に派遣労働者が交替したり、他の労働者派遣契約に基づく労働者派遣を始めたりした場合でも、派遣可能期間の起算日は変わりません。

(したがって、派遣可能期間の途中から開始した労働者派遣の期間は、原則、その派遣可能期間の終了までとなります。)

 

※派遣可能期間を延長した場合でも、個人単位の期間制限を超えて、同一の有期雇用の派遣労働者を引き続き同一の組織単位に派遣することはできません。

 

■派遣労働者個人単位の期間制限

同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位に対し派遣できる期間は、3年が限度となります。

 

※組織単位を変えれば、同一の事業所に、引き続き同一の派遣労働者を(3年を限度として)派遣することができますが、事業所単位の期間制限による派遣可能期間が延長されていることが前提となります。
(この場合でも、派遣先は同一の派遣労働者を指名する等の特定目的行為を行わないようにする必要があります。)

 

※派遣労働者の従事する業務が変わっても、同一の組織単位内である場合は、派遣期間は通算されます。

 

■事業所、組織単位の定義

[事業所]

・工場、事務所、店舗等、場所的に独立していること
・経営の単位として、人事・経理・指導監督・働き方などがある程度独立していること
・施設として一定期間継続するものであること
などの観点から、実態に即して判断されます。
※雇用保険の適用事業所に関する考え方と基本的には同一です。


[組織単位] 

いわゆる「課」や「グループ」など、
・業務としての類似性、関連性があり
・組織の長が業務配分、労務管理上の指揮監督権限を有する

ものとして、実態に即して判断されます。

 

■期間制限の例外

次に掲げる場合は、例外として期間制限がかかりません。

  • ・派遣元事業主に無期雇用されている派遣労働者を派遣する場合
  • ・60歳以上の派遣労働者を派遣する場合
  • ・終期が明確な有期プロジェクト業務に派遣労働者を派遣する場合
  • ・日数限定業務(1ヶ月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下であるもの)に派遣労働者を派遣する場合
  • ・産前産後休業、育児休業、介護休業等を取得する労働者の業務に派遣労働者を派遣する場合

 

■「クーリング期間」について

事業所単位の期間制限、個人単位の期間制限の両方に、いわゆる「クーリング期間」の考え方が設けられます。

 

[事業所単位の期間制限]

派遣先の事業所ごとの業務について、労働者派遣の終了後に再び派遣する場合、派遣終了と次の派遣開始の間の期間が3ヶ月を超えないときは、労働者派遣は継続しているものとみなされます。

 

[個人単位の期間制限]

派遣先の事業所における同一の組織単位ごとの業務について、労働者派遣の終了後に同一の派遣労働者を再び派遣する場合、派遣終了と次の派遣開始の間の期間が3ヶ月を超えないときは、労働者派遣は継続しているものとみなされます。

 

★過半数労働組合等への意見聴取手続

派遣先は、事業所単位の期間制限による3年の派遣可能期間を延長しようとする場合、その事業所の過半数労働組合等(過半数労働組合または過半数代表者)からの意見を聴く必要があります。

意見を聴いた結果、過半数労働組合等から異議があった場合には、派遣先は対応方針等を説明する義務があります。
これは、労使自治の考え方に基づき、派遣労働者の受け入れについて派遣先事業所内で実質的な話し合いができる仕組みを構築することが目的であり、派遣先は、意見聴取や対応方針等の説明を誠実に行うよう努めなければなりません。

また、最初の派遣労働者の受け入れの際には、派遣先は、過半数労働組合等に受け入れの方針を説明することが望まれます。

 

[趣旨]

派遣労働者の継続的な受け入れを認めるかどうかは、労使の話し合いを通じて派遣先が決定すべきものとしたもの。

 

[手続]

意見聴取(期間制限(3年)の1ヶ月前まで)

    ↓

反対意見が出た時は対応方針等の説明義務(3年経過時まで)

    ↓

【実質的な話し合いを期待】

    ↓

3年を超えた受け入れ

 

<手続きを担保する仕組み>

  • ・派遣先は意見聴取の参考となるデータを過半数労働組合等に提供(指針)
  • ・派遣先は意見聴取等の記録を一定期間(3年)保存、周知(省令)
  • ・派遣による過半数代表者への不利益取扱を禁止(省令)

 

[現行の、係の受け入れ期間を1年から3年に延長する意見聴取との違い]

  • ・現行は意見聴取に対して説明義務なし、周知義務なし
  • ・現行は意見聴取を行わなかった派遣先に対して制限なし

⇒改正後、意見聴取義務違反(期間制限違反)は、勧告・公表、労働契約申込みみなし制度の対象となります。

 

■雇用安定措置

改正前、派遣元事業主(以下、「派遣元」という)は派遣期間終了後の雇用継続を図る責務がありませんでした。

 

雇用継続に責務がないことは派遣労働の雇用が不安定になる原因ではないか、という背景から、派遣元に対し、継続就業見込みが一定期間以上であり、継続就業を希望する有期雇用派遣労働者について、以下のいずれかを実施する責務が新たに課せられます。

  1. 派遣先への直接雇用の依頼
  2. 新たな派遣先の提供(合理的なものに限る)
  3. 派遣元での無期雇用
  4. その他安定した雇用の継続を計るために必要な措置
    (次の派遣先が見つかるまでの有給の教育訓練、紹介予定派遣など)

※派遣元は、1を講じた場合に、直接雇用されなかったときは、2から4までのいずれかを講じる義務があります。

※雇用安定措置の義務の履行について

   義務を履行した場合とは、雇用安定措置を適切に履行するか、派遣労働者が継続就業を希望しない場合をいいます。

キャリアアップ助成金の拡充

   派遣先が、派遣元から直接雇用の依頼を受けた結果、派遣労働者を直接雇用した場合、キャリアアップ助成金の対象となります。

 

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3.キャリアアップ措置

派遣元は、雇用している派遣労働者のキャリアアップを図るため、
 ・段階的かつ体系的な教育訓練
 ・希望者に対するキャリア・コンサルティング

を実施する義務があります。

 

段階的かつ体系的な教育訓練は、キャリア形成支援制度として策定した教育訓練計画に基づいて行います。

 

[派遣元が講ずるべき措置]

  • ・労働局に要件を満たす教育訓練計画を提出
  • ・キャリア・コンサルティングの相談窓口を設置
  • ・長期的なキャリア形成を念頭に置いた派遣先の提供を行う手続きを規定
  • ・教育訓練の時期・頻度・時間数等の配慮
  • ・個人ごとの教育訓練等の実施状況を、派遣元管理台帳等に記録(退職後3年間は保存)

 

[派遣先が講ずるべき措置]

派遣元の求めに応じ、派遣労働者の職務遂行状況や遂行能力の向上度合など、派遣元によるキャリアアップ支援に必要な情報を派遣元に提供すること、また必要な便宜を図るよう努めなければなりません。

 

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4.均衡待遇の推進

派遣労働者と、派遣先で同種の業務に従事する労働者の待遇の均衡を図るため、派遣元と派遣先に、それぞれ新たな責務が課されます。

 

■派遣元が講ずるべき措置

[均衡を考慮した待遇の確保]

賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生の実施を行うよう配慮する義務があります。

 

[待遇に関する事項等の説明]

待遇確保のために考慮した内容を、本人に説明する義務があります。

※派遣先との派遣料金の交渉が派遣労働者の待遇改善にとって極めて重要であることを踏まえ、交渉に当たる

※派遣労働者のキャリアアップの成果を賃金表に反映させることが望ましい

 

[通勤手当の支給に関する留意点]

派遣元に無期雇用される労働者と有期雇用される派遣労働者との間における、労働条件の合理性を保たなければなりません。

※有期雇用される派遣労働者の比較対象は、同じ派遣元に無期雇用されている全従業員と同条件

 

■派遣先が講ずるべき措置

[賃金水準の情報提供の配慮義務]

派遣元が派遣労働者の賃金を適切に決定できるよう、必要な情報を提供するよう配慮しなければなりません。

必要な情報…派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者の賃金水準、一般の労働者の賃金水準(賃金相場)、派遣先の労働者の募集時の求人条件等

 

[教育訓練の実施に関する配慮義務]

派遣先の労働者に対し業務と密接に関連した教育訓練を実施する場合、派遣元から求めがあったときは、派遣元で実施可能な場合を除き、派遣労働者に対してもこれを実施するよう配慮しなければなりません。

 

[福利厚生施設の利用に関する配慮義務]

派遣先の労働者が利用する「給食施設、休憩室、更衣室」等の福利厚生施設については、派遣労働者に対しても利用の機会を与えるよう配慮しなければなりません。

 

[派遣料金の額の決定に関する努力義務]

派遣料金の額の決定に当たっては、派遣労働者の就業実態や労働市場の状況等を勘案し、派遣労働者の賃金水準が、派遣先で同種の業務に従事する労働者の賃金水準と均衡の図られたものとなるよう努める義務があります。
また、労働者派遣契約を更新する際の派遣料金の額の決定に当たっては、就業の実態や労働市場の状況等に加え、業務内容等や要求する技術水準の変化を勘案するよう努めなければなりません。

 

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5.労働契約申込みみなし制度

派遣先が次に掲げる違法派遣を受け入れた場合、その時点で、派遣先が派遣労働者に対して、その派遣労働者の派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなされます。
(派遣先が違法派遣に該当することを知らず、かつ、知らなかったことに過失がなかったときを除く)

  • ・労働者派遣の禁止業務に従事させた場合
  • ・無許可の事業主から労働者派遣を受け入れた場合
  • ・期間制限に違反して労働者派遣を受け入れた場合
  • ・いわゆる偽装請負の場合(労働者派遣法等の規定の適用を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結し、必要な事項を定めずに労働者派遣の役務の提供を受ける場合)

 

※期間制限違反について

  • ・新たに設けられる事業所単位・個人単位の2つの期間制限のどちらに違反した場合も、労働契約申込みみなし制度の対象となります。
  • ・改正法の施行日(平成27年9月30日)時点より前から行われている労働者派遣については、改正前の期間制限が適用され、派遣先が制限を超えて労働者派遣を使用しようとするときは、改正前の法律に基づく労働契約申込み義務の対象となります。(労働契約申込みみなし制度の対象とはなりません)

派遣元は、予め派遣労働者に対し抵触日(期間制限違反となる最初の日)を明示しなければなりませんが、これに併せて、派遣先が抵触日を超えた(期間制限違反の)派遣の受け入れを行った場合には、労働契約申込みみなし制度の対象となることを明示しなければなりません。

 

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6.その他の内容

■派遣元が講ずるべき措置

[労働者派遣事業報告書]

労働者派遣事業報告書の提出期限は、年度報告、6月1日現在の状況報告とも、毎年6月30日となります。

雇用安定措置を講じた派遣労働者の人数等の実施状況、段階的かつ体系的な教育訓練の実施状況等が、報告事項に追加されます。

 

[派遣元管理台帳]

雇用する派遣労働者ごとに派遣元管理台帳に記載すべき事項に、以下の内容が追加されます。

  • ・無期雇用の派遣労働者であるか、有期雇用の派遣労働者であるかの別
  • ・60歳以上であるか否かの別
  • ・派遣した派遣先の組織単位
  • ・雇用安定措置として講じた措置の内容
  • ・段階的かつ体系的な教育訓練を行った日時及び内容
  • ・キャリア・コンサルティングを実施した日及び内容

[派遣元責任者]

派遣元が選任する派遣元責任者は、派遣元責任者講習を修了した者であることが必要です。

 

[無期雇用の派遣労働者の募集に当たって留意すべき事項]

派遣元は、無期雇用の派遣労働者を募集する際は、正社員の募集と誤認されることがないよう、「無期雇用派遣」という文言を使用するなどの方法で、無期雇用の派遣労働者の募集であることを明確にしなければなりません。

 

[労働・社会保険の適用の促進]

派遣元は、派遣労働者の労働・社会保険加入について、加入を促進すると共に、派遣先・派遣労働者の双方へ加入状況を通知しなければなりません。

 

■派遣先が講ずるべき措置

[派遣先管理台帳]

受け入れる派遣労働者ごとに派遣先管理台帳に記載すべき事項に、以下の内容が追加されます。

  • ・無期雇用の派遣労働者であるか、有期雇用の派遣労働者であるかの別
  • ・60歳以上であるか否かの別
  • ・就業した組織単位
  • ・業務内での計画的なOJTの教育訓練や業務外の教育訓練を行った日時及び内容

 

[適切な苦情処理]

セクシュアルハラスメント、パワーハラスメントなどの、派遣労働者からの苦情に対しては、派遣先は適切かつ迅速な対応をすることが必要です。

 

[派遣労働者のキャリアアップ支援]

  • ・キャリアアップ支援に必要な情報の提供
  • ・雇入れの努力義務
  • ・正社員の募集情報についての提供義務
  • ・労働者の募集情報についての提供義務

 

[日雇派遣の原則禁止について]

日雇派遣については引き続き原則禁止であり、例外として認められる要件に変更はありません。

 

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